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「じゃ本番いきまーす！」 掛け声を合図にスタジオの照明がセットの中心に集中する。 「･・・５秒前、４・３・・・・・！！」 大きく振られた指先だけの指示に従い流れ出す、軽快なオープニングテーマ。 こうしてヴァルハラケーブルテレビの新春特番が幕を開けた。 カメラ前では渋めのデザインの黒いベストに真っ赤な蝶ネクタイを決めたオーナー、安田がポーズを取る。 「新年早々、我がBistro Valhollへようこそ。 そろそろ新春一発目のお客様がみえる予定なんだけどなぁ。」 カラ〜ン・コロ〜ン♪ 「おっ、来た来た。」 わらわらと入ってくるうら若き乙女の一団。 「いらっしゃいませ。ご予約のお名前は？」 「はーい、“フラワーナースィーズ”で〜す♪」 ──言っておくが、決して『モーニ○グ娘。』ではない。 「ようこそお越し下さいました。どうぞこちらへ。」 「は〜い。」 「さて、当店ではメニューは一切ございません。 お好きな物をご注文下さい。何でもご用意致しますよ。」 「じゃあ、私北見センセｖ」 「あー、ずる〜い。私も。」 「え、じゃ私は岩永先生にしよっと。」 「あら、やっぱり独身の方が良くない？私、森先生ね。」 「じゃ私がテル先生貰っていい？」 「･･････もしもし、お嬢さん方。番組の趣旨間違ってるよ。」 「えー、ダメなんですか？」 「ここは男を選ぶんじゃなくて、料理を選ぶとこなんだけど････」 「いいじゃないですか、お正月なんだし。固いこと言わないの！」 「そうそう。あっ下降りてっていいんですよね。」 「きゃ〜、行こ行こｖ」 もはやナース軍団の暴走を止められるものは･･････皆無である。
上の副調整室では、ディレクターが頭を抱えていた。 「だからミスキャスだって言ったんだよ。あの連中は絶対『恋のか○騒ぎ』向きだって。」 この番組は 『明日を作る技術の皇コーポレーションリミテッド』
の提供でお送りしました
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